アンダーグラウンド

 

11/7 fri 19:00 start|『アンダーグラウンド』上映+仲野麻紀 演奏

一 般 :2,000円

◎ 25歳以下: 1,500円 

◎ 高校生以下: 500円

 

11/8 sat 14:00 start|『アンダーグラウンド』上映+小田香・山﨑樹一郎トーク

一 般 :1,500円

◎ 25歳以下: 1,000円 

◎ 高校生以下: 500円


(定員25席)

*席数に限りがありますので、事前予約をお願い致します。
 

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こんにちは支配人です。
これまでビクトリィでほぼ全ての作品を上映させていただいている、小田香監督作品。
映画祭だったりCiné Ruelle さんの企画だったりきっかけは様々ですが、そのことをとても光栄に思います。そして今回は小田香監督最新作『アンダーグラウンド』を上映いたします。

『アンダーグランド』を観た時、映像と音とあらゆる時空を溶かすような世界観に、びびびー!と五感が震えまして。この"融合"するイメージは、開館以来ビクトリィで企画している「映画を聴こう」特集にぴったりだと思いました。映画を、耳目だけでなく全身で感受し鑑賞することを促すこのシリーズ。今回は『アンダーグラウンド』上映後、サックス奏者の仲野麻紀さんが映画の余韻残るその空間に音楽を響かせます。

⼩さなビクトリィシアターという空間で、映画と⾳楽はその瞬間に私たちをどこかへ連れて⾏ってくれるのではないだろうか。地下世界へ没⼊させるような⼩⽥監督の映画と、世界を確かめるかのように⾃らが⽴つその「場」に⾳を響かせる仲野さんの⾳楽。そんなふたりによるコラボ企画です。

こんな提案を快く引き受けてくださったおふたりに心から感謝いたします。そしてここに辿り着いたみなさま、どうぞお見逃しなく! みなさまのお越しをお待ちしています。

 

 

映画を聴こう!vol.3

アンダーグラウンド

監督 小田香

(2024年/日本/83分/カラー/5.1ch)
©2024 trixta

 

五感を研ぎ澄ませ 異空間にダイヴせよ

小田香が三たび、カメラを向けるのは日本の“地下世界”
漆黒の暗闇に横たわる歴史を凝視する ―

 

地下の暗闇から、蠢く怪物のように「シャドウ(影)」が姿を現す。シャドウ(影)はある女の姿を借りて、時代も場所も超えて旅を始める。地下鉄が走る音を聞き、戦争で多くの人々が命を失ったほら穴の中で死者達の声に耳を澄ませる。そんな道行きの中、シャドウ(影)は、かつてそこで起きたことをトレースしていくようになり、湖の底に沈んだ街に向かう―。

 

 

 

鬼才タル・ベーラの愛弟子、小田香が描き出す、
ドキュメンタリーを遥かに超えた異形の空間


映画『Shari』や米津玄師「Lemon」MV(出演・振付)の
吉開菜央が体現する「シャドウ(影)」という時空を超える存在

 

『ニーチェの馬』で知られる映画作家タル・ベーラが設立した映画学校で学んだ後、『鉱 ARAGANE』では、ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を、『セノーテ』では、メキシコ、ユカタン半島北部の洞窟内の泉と、異形の地下世界を題材に制作を続けてきた小田香が、三たび、遂に日本の地下世界にカメラを向ける。3年かけて日本各地をリサーチし、その土地に宿る歴史と記憶を辿り、土地の人々の声に耳を傾け、これまでとは全く異なる撮影体制で、地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けていく。その道行きには、映画作家・ダンサーの吉開菜央が、「シャドウ(影)」という存在を演じ、まるでその姿が歴史そのものであるかのように随伴する。
鼓膜がうち震えるほどの音響設計と、時折、漆黒の暗闇に揺れる眩い光がドキュメンタリーという枠を超え、我々の既成概念をぶち破る力強さで疾走していく。



小田香 Kaori ODA

1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー。2011年、ホリンズ大学(米国)教養学部映画コースを修了。卒業制作である中編作品『ノイズが言うには』が、なら国際映画祭2011 NARA-wave部門で観客賞を受賞。東京国際LGBT映画祭など国内外の映画祭で上映される。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factory(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として招聘され、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。2015年に完成されたボスニアの炭鉱を主題とした第一長編作品『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2015・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画祭やマル・デル・プラタ国際映画祭などで上映される。映画・映像を制作するプロセスの中で、「我々の人間性とはどういうもので、それがどこに向かっているのか」を探究する。また世界に羽ばたく新しい才能を育てるために2020年に設立された大島渚賞(審査員長:坂本龍一、審査員:黒沢清/荒木啓子[PFFディレクター]、主催:ぴあフィルムフェスティバル)では第1回の受賞者となった。2021 年、第 71 回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。『セノーテ』は2020年に劇場公開され、国内で30ヶ所を超える映画館などで上映された。2021年からは青森県立美術館が地域とアートのこれまでにないつながりを生み出すことを企図したアートプロジェクト「美術館堆肥化計画」に3年間にわたって招聘され、青森各地をテーマとしたインスタレーションや映像作品を制作した。2021年には札幌の“西2丁目地下歩道”に作品を展示する映像制作プロジェクト「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」に参加し、巨大な構造物のある札幌の地下空間をとらえた9分のインスタレーション作品「Underground」を発表、後に製作する“地下世界”を通して人間の記憶に迫る長編『Underground アンダーグラウンド』の礎とも言える作品となった。さらに2022年には豊中市立文化芸術センター「とよなかアーツプロジェクト2022 リサーチ企画」の委嘱を受け、太平洋戦争・沖縄戦で多くの住民が命を落とした自然洞窟ガマをテーマにした中編『GAMA』を製作。山形国際ドキュメンタリー映画祭、シネマ・ドゥ・リール(フランス)など国内外の多くの映画祭を巡回している。2024年、3年にわたり、日本各地の地下世界をリサーチし制作した、最新長編『Underground アンダーグラウンド』が遂に完成、10月に第37回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門でワールド・プレミア上映された。


仲野麻紀 Maki NAKANO

サックス奏者。2002年渡仏。自然発生的な即興、エリック・サティの楽曲を取り入れた演奏からなるユニット Ky [キィ] での活動の傍ら、様々な土地、様々な人々あるいは一人で演奏行脚を行いながら、音楽レーベル openmusic、アソシエーションArt et cultures symbiose-芸術と文化、共生-をフランスで主宰。『旅する音楽』(せりか書房)にて第4回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。 最新作は、古美術・現代美術のコレクションギャラリーでの撮影、演奏をテーマにした俳句 CD-Book 『古今』(Edition Ecoute出版)。2017年から開始したネットラジオopenradio は月齢周期に沿って配信中。

 

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