O氏の肖像

写真:ボブ藤崎

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こんにちは、支配人です。
毎年ビクトリィでは「映画を聴こう」という企画をしていました。
今年は「踊る」映画特集です。

まず最初は暗黒舞踏の源流ともいえる、日本を代表する舞踏家・大野一雄出演の『O氏の肖像』を上映します。本作は1965年にドキュメンタリー映像作家・長野千秋と大野が製作した、16ミリ映画3部作の1作目です。「大野一雄舞踏研究所」(現在のNPO法人ダンスアーカイヴ構想)により、2000年以降にデジタル化されたものを上映します。

暗黒舞踏とは、1950年代末から1960年代にかけて、舞踏家の土方巽(ひじかた・たつみ)や大野一雄らが中心となって始めた、前衛的なダンスです。欧米では「Butoh」として、近年広く知られるようになりました。

西洋の踊りとしてのバレエが天に向かう表現としたら、暗黒舞踏は土へと大地へと向かう踊りといえます。それゆえに「舞踊」ではなく「舞踏」、踏むと書くのですね。
暗黒というのも、アンダーグラウンドが沸いた時代的背景もありながら、そのまま地中と捉えることもできます。

私は暗黒舞踏を初めて見た時、非常に胸がざわつくものがありました。
そのざわつきを自分なりに後から掘り下げてみると、本能的で理性を超えた(ように見える)人の動きに、みてはいけないものを見た気がし、本能的に動く人間の姿にまず恐怖心をおぼえたのでした。しかしそれと同時に自分はその本能的な感覚をどこかに置いてきてしまった、と目が醒める思いがしました。

「踊り」は「生きる」ことに直に触れることがあるように思います。
そんなことを感じたいくつかの映画を、この企画で特集してみたいと思っています。

どうぞお楽しみに。


- 踊る、映画 -

『O氏の肖像』
Portrait of Mr. O

出演:大野一雄
監督・撮影:長野千秋

1969年|モノクロ|65分



ドキュメンタリー映像作家長野千秋と大野一雄が製作した16ミリ映画三作品の第一作。

「O氏」とは大野一雄のこと。横浜の自宅周辺、当時大野一雄が勤めていた捜真女学校のボイラー室、猿島(東京湾の無人島)や宝生寺(横浜市)を舞台に1年ほど撮りためた映像をまとめた作品である。

長野は撮影も担当し、その回想によれば「踊りの相手としてのキャメラ、という立場で、私も動きながら。自分では踊るつもりで大野さんと対応したいと」の想いに動かされての制作だった(長野千秋インタビューより)。

大野一雄は1960年代に土方作品の多くに参加したが、1968年高井富子公演<まんだら屋敷>に客演して以降は舞台活動を休止し、長野監督との映画製作に没頭した。長野は<まんだら屋敷>の舞台監督を務めていた。映画公開に伴い、「大野一雄を肖像した長野千秋展」と題されたプログラムが百部限定で制作されている。エディションも入れられており美術的な作品として見ることができる。土方巽、澁澤龍彦、中西夏之等が寄稿している。

NPO法人ダンスアーカイヴ構想HPより引用)


【プログラム】

9.21 月祝  15:00 start

 アフタートーク

 平井優子 × 菅野優香「大野一雄という存在をめぐって」


9.24 木  19:00 start

 (上映のみ)

  

▷ 定 員:各回 25名   要事前申込

▷ ticket:一般(前売り) 1,200円 、(当日) 1,500円、 高校生以下 1,000円、 小学生以下無料


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大野 一雄|Kazuo Ohno

1906年函館生まれ、2010年没。 
1930年代より江口隆哉、宮操子に師事。戦争による中断を経て、1949年よりモダンダンス作品を発表する。
50年代後半に土方巽と出会い、のちに「舞踏」と呼ばれる革新的な舞踊スタイルを共に創始した。1977年、スペイン舞踊家アントニア・メルセを讃えるソロ<ラ・アルヘンチーナ頌>を発表、高い評価を受けた。1980年73歳で初の海外公演を行い欧米の舞踊界に衝撃を与え、1999年93歳になるまで毎年のように海外ツアーを行った。
自らの足で歩くことが叶わなくなってからも、時に支えられ、時に椅子に座りながら踊り続けた。横浜の大野一雄舞踏研究所では、世界中から多くの人材を受け入れ長年指導した。


長野 千秋|Chiaki Nagano

1931年生まれ、2015年 岡山県真庭市にて没。
ドキュメンタリー映像作家、後に大導術研究家。
大野一雄を主演に「O氏三部作」とも称される<O氏の肖像><O氏の曼陀羅><O氏の死者の書>を監督した。
1964年、ネオ・ダダやオノ・ヨーコなど新しい芸術創造を目指す若者群像のドキュメント作品<ある若者たち>を発表。日本の内部から出てきたアヴァンギャルドを求めて大野一雄の稽古に通い、1969年~1976年にかけて「O氏三部作」を監督・撮影した。1979年<捨聖・一遍上人伝>の製作を最後に映像制作を離れて後は、老子の研究と実修に精力を注いだ。


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平井 優子|Yuko Hirai

ダンサー、振付演出家。幼少よりクラシックバレエを始め、東京を拠点にダンサーとして活動後フランス、現トゥルーズ・オクシタニー国立振付センターで振付法を学ぶ。2001年よりダムタイプのメンバーとしてクリエーションや国内外の公演ツアーに参加。
ダンサーとして高谷史郎氏や中谷芙二子氏ら他ジャンルのアーティストとのコラボレーションやミュージシャン、能楽師との共演など活動は多岐にわたる。
演出振付代表作品として「猿婿-The face of strangers」、「咆哮のコレオグラフィ」、「Disco on the planet」などがある。2016年度第17回福武文化奨励賞受賞。


菅野 優香|Yuka Kanno

映画、視覚文化研究、クィア・スタディーズ研究者。カリフォルニア大学アーヴァイン校にてヴィジュアル・スタディーズ博士号を取得。現在は同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。映像作品や現代アートにおけるジェンダーやセクシュアリティ、人種の表象に大きな関心を寄せる。




協力 大野一雄舞踏研究所、NPO法人ダンスアーカイヴ構想
主催 岡山県、(公社)岡山県文化連盟、おかやま県民文化祭実行委員会、しましま企画
おかやま県民文化祭「文化がまちにある!プログラム」

 


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